「1495日の初恋」

「お前たちアンカーやれ。」


先生から突然の指名。

「ええっ!!」


うそ!人生初、アンカー!

私がびっくりして大声をあげると、上原くんは身体を丸めて爆笑した。

私の顔が、相当面白かったみたい。



「結、頑張ろうな。」

上原くんの声も顔も優しくて、嬉しくなる。

もう、絶対勝ちたいって強く思った。



一生やることのないと思っていた大役。

上原くんに恥をかかせないようにと、ますます練習に身が入った。



今思えば、後にも先にも、こんなに頑張った運動会はなかった。





そして、いよいよ当日。

身体を硬くして、出番を待った。



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