「1495日の初恋」
素直になれなくて
溢れ出す心
帰り道。
公園のベンチに座って、カバンからハチマキを取り出した。
上原くん…
しまったはずの想いが溢れ出し、涙が後から後からこぼれて落ちる。
どこにどう片付けたらいいのかわからない。
大きくはっきりと見える自分の気持ち。
見えないようにしようにも、大き過ぎて隠しようがなかった。
気がつけば、辺りは暗かった。
もう帰らなきゃ。
泣いてたって、どうにもならない。
握っていたハチマキをカバンにしまって、ベンチを立った。
「結?」
不意に名前を呼ばれてドキリとする。
振り向くと、息を切らせた上原くんがそこにいた。