「1495日の初恋」
もう、わけがわからなかった。
めちゃくちゃに走って、うちまで帰った。
乱暴に部屋のドアを開け、ベッドに突っ伏した。
お母さんが何か言っていたが、聞こえなかった。
聞こえるのは、綾香の胸はいいという上原くんの声だけ。
もう、ヤダ!
なんなの。
なんなのよ…。
放り投げたカバンから、上原くんと結んだハチマキが飛び出している。
私はそれを拾って、ゴミ箱に捨てた。
涙が溢れて溢れて止まらなかった。
「最低…。」
最高の一日が、最悪の一日になった。
次の日、席替えをした。
上原くんは、窓際の一番後ろ。
私は、廊下側の前から二番目。
心も席も、ずっと遠くに離れてしまった。