「1495日の初恋」
私はびっくりして、上原くんの顔を見上げる。
「指、大丈夫か?ほら、これやるよ。」
上原くんは、制服のポケットから絆創膏を出して、私にくれた。
背景画を運ぶ際、その紙で指を切り、さっき保健の先生からもらってきたらしい。
「あ、ありがとう。」
私は、もらった絆創膏の紙を外して指に巻く。
上原くんは、教室の奥まで歩いていき、壁にかけてある私の作った衣装に触れる。
そうして、つぶやいた。
「毎日毎日よくもまあ、ここまで頑張ったな。」
えっ?なに…?
上原くんは、ふわりと優しい笑顔で私を見る。
「ちょっとだけ、結を尊敬してやるよ。」
え…?えっ?えーっ!?
もしかして、もしかすると、私…上原くんに、褒められた?