「1495日の初恋」
貸し一つ
何だか急に恥ずかしくなって、胸がドキドキし始める。
「お前に、こんな才能があったなんて、驚いた。」
「上原くん…?」
「一人で作るの…大変だったよな…よく分かるよ。」
上原くんが、笑ってる。
上原くんが、話してる。
上原くんが…私を、見ててくれた…。
胸がいっぱいになって、涙が溢れてくる。
「え?お前、なんで泣いてんだよ。」
上原くんは、私に近付き体を屈めて覗き込む。
「泣いてない。」
私は、手で涙を拭う。
「泣いてるだろ?」
「泣いてない。」
「泣き虫。」
「泣いてないって。」
「…また、俺のせい?」
「違う、自分のせい。」
「やっぱり、泣いてんじゃん。」
「泣いてないよ、バカ!」
あー…なんか、この感じ、久しぶりで…涙が止まらない。