「1495日の初恋」
「しょうがねーから、手伝ってやるよ。」
上原くんは、私の前の席に座って、こっちを向いた。
「えー、いいよ。」
私は、ブンブン頭を振った。
「でもそれ、全部つけるんだろ?」
上原くんは、私の前にあるボタンを指差した。
「そうだけど…裁縫、できるの?」
「結ができるんだろ?たぶん俺の方がうまい!」
「もう、ばかにしてーー!」
上原くんは笑いながら、衣装を掴んでボタンを付けてくれた。
決して上手いとは言えないけれど、一生懸命につけてくれただけで、嬉しかった。
「ありがとう。」
とても優しい気持ちで、上原くんにお礼を言えた。
上原くんは、「貸し1つね」と笑って言った。
何かお返しを、考えておかなきゃね。