「1495日の初恋」

ナイフを一本指すたびに、ビビりまくる。



3周目。
もう、いつ飛び出てもおかしくない。


ガチャ―ン

「うわっマジかよーーー!」


人形が飛び出て、絨毯の上を転がった。


ふーっと、長く息を吐いた。
私じゃなかった…よかった…。


「はい、藤崎くん、一枚引いてください。」

綾香に促されて、藤崎くんが一枚引いた。


…彼氏(彼女)の髪の匂いをかぐ…


「なんだよ、楽勝じゃんよ!ていうか、変態じゃね?」

みんなは、その言葉に爆笑する。


「じゃ、行きまーす!」

藤崎くんは、美紀の髪に顔を寄せ、わざとクンクン音を出して匂いをかいだ。


「どうですか?」

みんなニヤニヤ。

「いい匂いでした。」

美紀は照れて、下を向いた。

…なんだこれ…。
絶対絶対、当たりませんように!





「はい、じゃ2回戦ね~!」


頼む、人形!
出たら許さないから!



ガチャーン


「うわー、俺だーー!」


は、早いよ…矢島くん。



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