「1495日の初恋」
告白
ま、まさか、矢島くん?
早いよ、一本目だなんて。
「さすが、矢島!愛の力だねー!じゃ、引いてっ!」
綾香に促されて、矢島くんがカードを引いた。
…彼氏(彼女)にプロポーズをする…
「えー、プロポーズ?」
「いいじゃん、言っちゃえ言っちゃえ!」
躊躇する矢島くんに、綾香がけしかける。
「矢島くん、無理しなくていいからね。」
私が小声でそう言うと、矢島くんは大丈夫だと、微笑んだ。
矢島くんは、私に向き直り、きちんと正座する。
え?え?えー?
ちょっと矢島くんっ!?
「じゃ、行きまーす。上原さん、大好きです。僕と結婚してください!」
そうして手を前に差し出す。
「結、返事は?」
綾香が言った。
断ることなんかできない雰囲気…。
「ああ、うん、よろしくお願い致します。」
そう言って、矢島くんの手を取るしかなかった。
「おめでとー!」
みんなからの祝福の拍手が、曖昧な自分を苦しめた。