「1495日の初恋」
「じゃ、これで最後ねー!」
ガチャ―ン
最後の最後に私だった…最悪…。
「はい、カード引いてねー!」
恐る恐るカードをめくる。
お願いします、神様!
…彼氏(彼女)と1分見つめ合う…
い、いっぷん?
長い、長すぎるよ…
「はい、上原さん、こっち向いてね。」
矢島くんが私の頬を手で挟んで、横に向けた。
ひゃー…
こんなの、無理だよ。
「では行きまーす、よーい、スタート。」
矢島くんは、にこにこ楽しそう。
私は必死だ。
ああ、恥ずかしい。
絶対、顔が赤くなっているはず。
早く終われー!
「上原さん、ちゃんと俺を見て。」
その言葉に、心臓が爆発しそうになる。
矢島くんの目が、急に真剣になった。
ガタン
誰かが立ち上がる音。
「俺、トイレ。」
上原くんの声がした。
見つめ合う私たちの間を抜けて、上原くんは部屋から出ていった。