「1495日の初恋」
「私、上原の顔、超好み!この旅行で上原に告白して、絶対付き合う!!」
昨夜の告白宣言が、頭をよぎって離れない。
確かに、上原くんはかっこいいよ。
でも、上原くんは顔だけじゃない。
優しくて絵が上手で、運動も出来て…あげればキリがないほど、ステキな人なんだよ。
綾香の笑い声が聞こえるたび、身体がピクリと反応する。
二人の話は聞こえない。
並んで歩く二人の後ろ姿を見るのが、辛かった。
3つのペアは、少し間を開けながら歩いていた。
綾香が美紀の元に駆け寄り、何か話している。
「ゆーいー!」
私も呼ばれて、二人の元へ駆け寄った。
「結、今から別行動しよ。集合は3時半で、場所はここ。」
「え?」
「え?じゃないの!私と美紀は告白しなくちゃいけないし、ね、結、よろしくー!」
そう言って二人は、藤崎くんと上原くんの元に戻っていった。
程なくして二組は、右と左に別れて手を振った。
「結も後でねー!」