微熱37℃
多分…って多分でもないが私のことだろう。
「っ」
「この子はサクヤちゃん。今日からウチに住むことになったウチの娘だ!」
私のことを気にしてかはわからないけど、雅人さんが私の代わりに紹介してくれた。
「俺はヨウイチ!
サクヤちゃんよろしくね?」
何とも人懐こそうな笑顔と八重歯を見せながら笑うヨウイチさんは正にハニカミ王子だった。
「…ヒロキ。よろしく」
ヒロキさんはヨウイチさんとは真逆で、笑ってはくれなかったけど、悪い人ではなさそう。
「ごめんね?コイツ人見知りだからさ」
グニッとヨウイチさんがヒロキさんの頬っぺたを横に引っ張る。
「やめれよ」
そう言いながらもされるがままのヒロキさんを見るだけで自然と笑いが零れた。