微熱37℃
〝アイツ?〟
玄関の辺りから自転車のブレーキの音が聞こえた。
ガラガラ…
すると今度は玄関の引き戸が開けられた音がする。
誰か来た?
「おータクマ!
お帰りー」
〝タクマ?〟
ヨウイチさんがそう言うと廊下からヒョコっと顔を覗かせた…タクマ、さん。
「…うわ。五月蝿いのがいる」
綺麗な白い肌に無造作に立てられた髪。
瞳を見ると吸い込まれそうな感覚に陥った。
「タクマクン?その〝五月蝿い〟のって誰のことかな?」
「…ヨウイチしかいないだろ」
タクマさんとヨウイチさんのやり取りの中にヒロキさんがツッコミを入れる。
「ムキーッ!まじうぜぇー!一応、俺お前等より年上なんだかんなっ」
「一個や二個上だけなのに偉そうに…」