微熱37℃





居間に入ると、

「サクヤちゃーん!ついでにヒロキもおはよー」



っと朝からテンションの高いヨウイチさんが手をブンブンに振りながら満面の笑みを浮かべている。


…あ、朝から眩しいっす……


「…おは…おはよござ…」



私が挨拶に鈍臭くしどろもどろになっていると、



「邪魔」



紘喜が座っているヨウイチさんを押し退け、畳みの上に腰を下ろした。


その弾みでヨウイチさんは畳みに肘を着いた。



「…たぁ…、テメ何しやがる!?」


「聞こえなかった?
〝邪魔〟って言ったんだよ」


「嘘だぁーーっ!
テメ、口より先に手出てたじゃねーかっ!?」



そんなヨウイチさんの言葉に対して、『さぁ?どうだろ…』と首を傾げながら『戴きます』っと静かに箸を持ち上げた。



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