微熱37℃





車の中で千さんと話したり、窓から見える海をボーッと眺めている内に車のエンジンが止められた。



「さぁ、着いたよ」



カチャッとシートベルトを外し、車から降りると、



「…〝千の里〟?」



〝千の里〟と書かれたまだ比較的新しい落ち着いた雰囲気の旅館が目の前にあった。



「此処がおばさんの旅館だよ。そして今日から此処がサクヤちゃんのお家!さっ!中へどうぞ」



おばさんに手招きされ、旅行バックを車から引っ張り出して肩に下げた。



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