微熱37℃
中に入ると外観と同じく中も落ち着いた雰囲気が漂っている。
それに、結構中は広かったりする。
でも私がこの旅館に入って1番最初に思ったことは、
〝懐かしい。〟
殆(ホトン)ど記憶にないが、何故だか不思議と親近感がある。
「アンターぁ!サクヤちゃんが来たよー」
千さんの声に奥のノレンを潜ってやって来たのは、パッと見板前さんの用な格好をしている人。
「おー。サクヤちゃん久しぶりだなぁ」
「…お久しぶりです。
雅人さん」