House
「…だから、これは僕が決めた事なんだ」
全部、話した。
みんなはまだ黙っている……こんなの、最低だよな。
嫌われるのも仕方が無い。
誰か…何とか言ってくれよ…
「涼太くん…」
最初に口を開いたのはあづささんだった。
でも、すでに涙目の彼女は、必死になって声を出していた。
「涼太くん、ひどいよ…」
やっぱり……僕の居場所はどこにもないんだ。
「どうして…何も相談してくれなかったの?」
え?
「涼太!…お前さー、この中で1番ガキなくせに、何1人で悩んでんだよ?」
あ…
「大丈夫よ、りょうちゃん。私達は見捨てない。だって、家族でしょ?」
なんでだよ……どうしてそこまで優しくするんだ。
この人達は、本当にメチャクチャだな。
涙が……止まらない。
もう、僕はこの人達から離れられないかもしれない。
一瞬にして身体が軽くなった気がした。
「涼太くん、帰ろう」
うん、帰ろう。
僕はその場に崩れ落ちた。