House
No.3
Side あづさ
この前の『同性愛同盟!』の話も、だいぶ落ち着いて来た。
相変わらず、リンさんとふうちゃんは連絡を取り合って仲良くしているらしい。
ってか、それより……今年も、とうとう夏休みが来た!
…まあ、楽しみと言ったらお祭りぐらいかな?
部屋から出て1階のリビングに降りると、そこには、なんともだらしない格好をした麻人が居た。
「ちょっと〜…ここで寝ないでよ」
真っ白なTシャツに、茶色の短パンを着て、床に寝そべっている。
「床は冷たくて気持ちいいぞ〜…あづさも寝ろ」
何言ってんだか……ってか、本当に小学生みたい。
「ふふっ…」
「…ん?何笑ってんだよ」
もう、この人はほっといてやろう。
「あ……おはようございます。あづささん」
キッチンに立っていたのは、涼太君だった。
「おはよ〜…涼太君がご飯作るの?」
まだ8時、早いけど起きたらお腹も空いてくる。
「そうですね。うちの料理人は、あんなんですから……」
そっか〜。いつもは麻人が料理をするんだけど、どうも夏は苦手らしい…
あの、熱血ぶりと大違いの姿……今度はイモムシみたいに見えてきた。
「涼太君、何作れる〜?」
「えーっと…フレンチトーストですかね?」
「おっ、いいねー!じゃあ私、サラダ作る♪」
こう言う時の共同作業は慣れて来た。ここにも、もう2年居ることになるし…
「よし…後一枚!」
涼太君も、凄く楽しそう。