House
「リーンさーん!!」
皆が居る所へ行くと、そこにはテントが張ってあった。
「あづちゃん!来たのね〜♪」
「もうっ…置いてかないで下さいよ〜」
なぜか、リンさんはニコッと笑った。
「あづさ、お前テント入れ!」
離れた所から、麻人の声が聞こえた。
何で?と聞いても、いいから入れ!と命令される。
指示どうり、テントの中を拝見した。
「わあ…気持ちいい」
意外と中は快適で、丁度いい寝心地だった。
「だろ?…虫の声も聞こえるんだぜ!」
耳を澄ますとセミの声が聞こえ、時折、鳥の鳴き声なんかもする。
風の音も聞こえるぐらい、綺麗だった。
「すっかり、気に入ったわね〜」
なかなか動かない私に、リンさんが近寄って来た。
「はい!…何とも言えないくらい」
目をつぶり、私は答えた。