House
翌日。
お兄ちゃんはお父さん達が家を出たのを見送り、私を連れ出した。
「脱出成功ー!」
なんて言って、2人で笑っていた。
そこからは、電車に乗ってバスに乗り換え、緑の多い山の奥に来た。
本当に周りは植物ばかりなのに、美術館は大きく、駐車場も広かった。
「中学生1人、高校生1人です」
受付のロビーで入場券を買い、中に入る。
中も凄く綺麗で、数々の美術作品が並べられている。
大自然をテーマにした絵だったり、落ち葉を使ったアート作品だったり…
1つ1つの作品に、たくさんの時間をかけて見て回った。
「凄い…」
もう、その一言でしか表せなかった。
最後の作品を見終わると、大きなガラス張りのホームに出た。
そこから見える景色は、驚く程すっきり晴れた青空と、青々しい木々。
奥には海が見えた。
この美術館は、少し高い所にあるようで、綺麗に見渡すことができた。
「お兄ちゃん、ありがとう♪」
そう言うと、お兄ちゃんは照れたように笑った。
「よし、そろそろ腹減ったし、ご飯食いに行くか!」
時刻は15時。
ここに着いたのが11時だったから、そうとう長居してたみたい。
美術館を出て、近くにある、昔ながらのお好み焼き屋でお腹を満たした。