サクセスラブを この手に
「社長、この女性は14時半からの座談会に出席予定の津川舞さんという方です。今、階下のマーケティング部から人を寄越すと言っておりました。」

「マーケ?マーケは8階だろ?」

「そうですね。この女性は8階と18階をお間違えになったのではないでしょうか?」

「田原、勘がいいな。」

俺は女を抱き上げて運ぼうとした。

「社長、医務室は2階ですが、どちらへ?」

「俺の執務室の方が近いだろ?」

「それはそうですが。」

俺は両腕に女を抱きかかえてエレベーターを出ようとした。

とその時、ガッ、ガガガッと

金属がきしむような嫌な音がして床が揺れた。

俺は足を踏ん張ってその揺れに耐えようとした。

が、次の瞬間、エレベーターはドアが開いたまま

ゆっくりと下へ動き出した。

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