サクセスラブを この手に
それを見て田原は仰天した。

「社長!だ、誰か、誰かー!」

彼の叫び声が頭上に響き渡った。

エレベーターはゆっくりと下へ動いた。

「くそぅ!」

俺はドン、と足でパケットを開き

中のハンドブレーキを思い切り引いたが

何も反応がなかった。

片手に女を抱えたまま

もう一度ハンドルを力任せに引き抜いた。

パチパチッと火花が散ってまぶしかった。

「うっ。」

感電したか?

一瞬体中に電流が走ったような気がした。

と思ったら、女がピクリと動いた。

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