サクセスラブを この手に
「ん、何?」

「おい、起きろよ!」

「えっ、そう言えば、私、うとうとしちゃって。あの、ここどこですか、今、何階ですか?」

「俺達は閉じ込められたんだ。」

「そんな、それじゃ、さっきと変わらないわ。どうなっているの、あなた誰ですか?」

「俺はここの者だ。君は下りる階を間違えたんだ。」

「そんなはずないわ。確か18階ってメールに書いてあったわ。」

「君が降りる階は8階だ。君はいつもそうなのか?」

「失礼ね。いつもじゃないわ。ごくたまに間違えるだけよ。」

「とにかく、人が来るまで待つしかない。それから君には罰を与えないとな。」

「罰、どうして?私、何も悪いことはしてないわ。」

「いや、罰は3つある。さてどうするか。」

女と話している間もエレベーターがゆっくりと下へ動いているのを

俺はかなり気にした。

< 12 / 77 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop