サクセスラブを この手に
揺れる心
「医務室です。わかりました。」看護師が電話を切った。

私は熟睡したらしかった。

「津川さん!津川さん!」

「ん、はい。」

「ずいぶんぐっすり寝られたようですね。睡眠不足ではないですか?」

「ちょっと不眠症なので。」

「それはよくないですよ。睡眠が体調を左右します。

ドクターに処方してもらいましょうか?」

「いえ、大丈夫です。」

「社長がお呼びですので支度をしてください。」

「はい。」

私はガウンを脱いで服を着た。

洗面台で顔を直して戻ると紘くんが看護師と話しをしていた。

「紘くん、お仕事は?」

「今日はこの後ミーティングがあるんだ。」

「そう、大変なのね。」

「津川さん、お大事になさってください。」

「ありがとうございました。」

私は看護師にお礼を言って医務室を出た。

「じゃ、行こうか。社長室まで案内するよ。」

「うん。」

高校の同級生だった原田紘一とは卒業以来会っていなかった。

「舞、元気だった?」

「うん。」

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