サクセスラブを この手に
私は長身の杉浦社長をチラリと横から見上げた。

「どうした?あのエレベータが怖い?」

「いいえ、もう修理は済んだって聞きましたけど。」

「嫌なら、隣りのを使っても構わない。」

私は絶対隣りのエレベーターで下りたかった。

でもはっきり言えなかった。

彼は社長専用でない方のエレベーターのボタンを押した。

この人、やっぱり優しいのかどうなのかさっぱりわからなかった。

彼は黒塗りの社用車を横浜まで行かせてから運転手を帰らせた。

中華街だった。

予約を入れたレストランでご馳走になった中華料理は

油っこいのにサッパリとして味付けも薄めで

いろいろなお料理が少しずつ出てきた。

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