サクセスラブを この手に

私は杉浦社長と向かい合って食事をしながら

彼と話しをする内に気持ちが安らいでいった。

「美味しい料理を実際に食べてみないと自分で作る時に味加減で迷うだろ？」

「あんなに食べたのにお腹が調度いいくらいだわ。なぜかしら？」

「たぶん味が淡白で油分を落としてあるからだろ。君と一緒だったから量を全てハーフにしてもらって正解だったな。」

「ハーフ？そうだったの。」

「デザートはお決まりのものだが、変えてもいいよ。バニラにしようか。」

彼は杏仁豆腐でなくバニラアイスを注文してくれた。

最後に冷えたバニラが喉を通った。

何だかとても幸せだった。

彼と食べながらおしゃべりして

文句を言ったり、笑ったり、うなづいたり、楽しかった。

私は彼の前だと気取らずにいられた。

普段の自分を出せた。