サクセスラブを この手に
彼は今来たドアの向こうへ私を引っ張っていった。

そこは非常階段だった。

「普段この階段は誰も使わないが、もしかしたら誰かに見つかる可能性もある。」

「んん。」

彼にいきなりキスされた。

嬉しかった。

私は期待していたんだ、と自分の想いをはっきりつかめた。

「ぁふ。」彼の唇に溶けそう。

「せっかく直したリップを乱したが、この続きはまた今度だ。」

「杉浦さん、私もう一度会いたかったんです。」

「舞、俺も君に会いたかった。」

二人で笑った。

「戻ろう。」

「はい。」

私は輸入部のフロアへ向かった。

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