サクセスラブを この手に
「社長、来ました。」

16、17、18階。

ポーンと軽い音がしてエレベーターのドアが開いた。

「なんだ?」

エレベーター内は照明が消え

女が一人倒れていた。

俺はその女に呼びかけた。

「おい、君!」

返事がなかった。

女の手からカタッとスマホが落ちた。

俺はそれを拾い上げて

画面をのぞいた。

「何、座談会?田原、この番号に電話して確かめてくれないか?」

「はい、承知しました。」

田原は明るい通路で電話をかけた。

女の右手が光った。

見ると薬指にダイヤモンドが輝いていた。

俺はそれを見てつぶやいた。

「ダイヤのリングか。」

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