【完】芸能人に、恋をした。
「…は─…」
“はーい”
そう言ってドアノブに手をかけようとしたとき
あたしの首に腕が絡んだ。
「きゃっ…」
その勢いで体が後ろに傾く。
倒れるっ…!
そう思ったときには、あたしは力強い腕に包まれていた。
その腕は、後ろからあたしを抱きしめていて
どんどん力が増していく。
「…れ、蓮くん?」
名前を呼べば、もっと強くなる腕の力。
「行くな、バカ…」
蓮くんの弱々しい声が聞こえる。