【完】芸能人に、恋をした。
「…陽菜」
流れていた沈黙を破ったのは蓮くんで、蓮くんの声に肩が揺れる。
「なに?」
「なんか、すげぇ恥ずかしいことしちゃったけど…あれ、本心だから」
「…え?」
「俺、陽菜のこと好きだから」
突然の告白に、蓮くんの後ろ姿を見ながら開いた口が塞がらないでいた。
「…え、あの…」
「つか普通気付くだろ、バーカ」
「…バ、バカじゃな─…」
すると急に振り向いた蓮くん。
ソファーに座るあたしの足の両サイドに両腕をつく。
「…っ」
思いの外近い蓮くんとの距離に息が詰まる。
なんだか懐かしい、この、胸がきゅっと熱くなる感覚。