【完】芸能人に、恋をした。

▽正直に話すとき




「いってらっしゃい」



「おう」



「気をつけてね」




あっという間にお昼がきた。


午後から取材が入っているという、相変わらず忙しい蓮くんにお昼ご飯を御馳走して

時間になった蓮くんを見送る。





「いってらっしゃいのチューとかないの?」



「え!?」




当たり前のように言う蓮くん。


あたしが困惑していると─。





─チュッ



リップ音をたてて、頬に触れた唇。





「いってきます」



蓮くんは、ニッと口の端を上げ去っていった。



あたしはしばらく頬を押さえたまま、動けなかった。





< 129 / 208 >

この作品をシェア

pagetop