【完】芸能人に、恋をした。
ぐいっと引っ張られて膝をつく。
膝をついて、目線が上になったあたしを見つめる蓮くんは、自然と上目遣いになる。
男の子のくせに、可愛いな…。
なんて言ったら怒られそうだけど。
そんなことを思っていると、ふいに近づいてくる顔。
─キス…?
流れで瞼を伏せる。
「何もわかってない彼女には
キスなんてしませーん」
唇は触れるどころか、耳元にあって。
期待していたんだと気付かされ、恥ずかしくてすぐに目を開いた。