【完】芸能人に、恋をした。
「陽菜?」
ボーッとしてるあたしに気付いた佳奈が声をかける。
「…え?」
「どうした最近。ボーッとしてること多くない?」
「確かに」
「何かあった?」
心配してくれる3人に、余計な心配はかけたくなくて笑って首を振る。
「ううん。ちょっと寝不足なだけ」
「そ?ならいいけど…。あ!コンサートの日のことだけどさ─」
気遣って話題を変える佳奈。
改めてみんなの計画を説明してもらっているうちに、“桐原蓮”の存在は頭の片隅に追いやられていた。