【完】芸能人に、恋をした。
「…え?」
「陽菜は十分でも、俺は全然足りないの」
少し膨れる蓮くんが可愛く見えた。
「…蓮くん」
「んー?」
「………大好き…」
そう言って抱き着いた。
あたしにしては思い切った行動。
でも蓮くんの反応はなくて、不安になり少し顔を上げる。
「バカ見んな」
グッと頭を押さえられ、蓮くんの胸に戻る。
─でも、少し見えた…蓮くんの赤い顔。
「陽菜のくせに、不意打ちとか卑怯」
「陽菜のくせにって─」
「好きだよ」
そう言って、上を向いたあたしに蓮くんは甘いキスを落とした。