【完】芸能人に、恋をした。
「…よぉ」
ドアを開くと、そこに立っていたのは男の人。
俯いていた顔がゆっくりと上げられて、ふと目が合い声を聞けば誰かなんてすぐにわかった。
「…っ」
何も言えず、ただただ目を見開く。
時が止まったような錯覚を覚える。
あたしの体は、まるで動かない。
「久しぶり、陽菜」
「…えっと……」
「覚えてない?俺のこと」
そう自分を指差し、首を傾げる彼。
「…あの…RENに、似てますね…」