【完】芸能人に、恋をした。
「……おはよ」
「そんな犯罪者を見るような目で見るなよ」
蓮くんはそう言って笑うと、あたしの頭をくしゃくしゃっと撫でた。
そしてまた、当たり前のように部屋に入る。
「だから、部屋に入らなくても…」
「記者来たらめんどいだろ」
…まぁ、確かにそうだけど…。
「じゃあ玄関までにしてよ!」
「なんで?そんなに俺に入られるの嫌?」
“俺に”をやけに強調して言われたような気がして黙り込む。
─そういうんじゃ、ないし…。