【完】芸能人に、恋をした。
短い会話で通話を終了した蓮くんと、目が合う。
「マネージャーから。仕事行ってくるわ」
“マネージャー”
あぁ、この人は別世界の人だ、と気付かされる。
期待も何も、しちゃいけない。
蓮くんには蓮くんの道が出来ている。
いつまでも、蓮くんを忘れられないあたしじゃダメだ。
自分だけが、中学時代のまま取り残されているように感じた。
「頑張ってね、仕事」
「おう、サンキュ」
ニコッと笑う蓮くんに笑顔を向ける。