【完】芸能人に、恋をした。
「かっこいい…」
ふいにそうつぶやいたとき、あの日の蓮くんを思い出した。
『めっちゃうれしー』
ぎゅっとあたしを抱きしめてくれた蓮くん。
そんなことを思い出しては、視界を滲ませて
油断して流れてしまった涙を放置したまま、DVDを眺めていた。
──ピーンポーン…
鳴り響くインターホンに気付いたのは
ニ回目のインターホンが鳴ってからだった。
「…はーい」
涙の跡を拭い立ち上がり、玄関に向かう。