【完】芸能人に、恋をした。



「かっこいい…」



ふいにそうつぶやいたとき、あの日の蓮くんを思い出した。





『めっちゃうれしー』



ぎゅっとあたしを抱きしめてくれた蓮くん。


そんなことを思い出しては、視界を滲ませて

油断して流れてしまった涙を放置したまま、DVDを眺めていた。






──ピーンポーン…



鳴り響くインターホンに気付いたのは

ニ回目のインターホンが鳴ってからだった。





「…はーい」



涙の跡を拭い立ち上がり、玄関に向かう。





< 87 / 208 >

この作品をシェア

pagetop