クリスマス残夢
昔のあなたは、そんな人じゃなかった。もっと優しくて、何でも話してくれて、一緒に居ると落ち着ける存在だったのに。
過去のあなたと比べては、悲しくなるだけ。
付き合っていた頃のあなた。
結婚して上の子が生まれるまでのあなた。下の子が生まれるまでのあなた。
家族が四人になってからのあなた。
過去に遡るほど、あなたは優しかったんじゃない? と思えてならない。
手を繋いだり、腕を組んだりしてたんじゃない?
変わってしまったのは、あなた?
長年連れ添っていると仕方のないことなの?
これまでに大きな喧嘩をたくさんしてきた。でも必ず仲直りできていたのに、ここ数年は違う。喧嘩をするたびに、私たちの溝は深まるばかり。
いつも私が苛立ちをぶつける形で始まって、口数の少ないあなたは黙って聞いているだけ。反応を求めて、私はさらにまくし立ててしまう。
一言でいいから、『ごめん』と言ってくれればいいのにと思いながら。