クリスマス残夢
相手は、ほとんど電話でしか話したことのない社内の人。しかも一、二ヶ月に一度、問い合わせの電話を掛けてくる程度。
きっと私の名前は知っていても、顔なんて知らないと思う。
私は、彼の顔も背格好も知っている。だけど、他に知っていることといえば名前だけ。
もし彼が、私のことを少しでも知っていてくれたら嬉しい。
ほんの少しでもいいから、気に留めてくれたことがあるなら嬉しい。
なんて、思うようになったのは半年前。決して好きとかいう感情ではなくて、ただの気になる存在。
でも、時々考えてしまう。
それ以上のことを。
あなたが私に冷たいから。
気遣ってくれることもないから。
私の嫌いなゲームをやめてと言っても、
『お前には関係ない、放っておけよ』
なんて返すから。