クリスマス残夢
着替え終えて食卓に着いても、子供たちはまだ寝てる。早く起こして反応を見たいけど、起こすのはかわいそう。
「プレゼント、もう置いた?」
向かいに座ったあなたが尋ねる。
「うん、今年はあなたにも来てくれたみたいだね」
「は? 何それ?」
「ほら、枕元にあるでしょ?」
きょとんとした顔で聞き返すから、寝室を指差した。やっぱり、気づいてなかったらしい。
枕元のプレゼントを見つけたあなたが、包みを開けながら戻ってくる。ぶっきらぼうに開かれ、小さな箱が露わになる。
あなたの顔を見ることができない。
妙に緊張してしまって。
あなたは何て言うだろう。
喜んでくれるかな……
「何これ? ボールペン?」
箱を開けたあなたの第一声。
取り出したボールペンをぐるり見回して、困惑した表情で聞き返す。
「うん、ボールペン」
そのまんま返すしかない。
見たらわかるでしょう?
ボールペン以外に何に見える?