クリスマス残夢


街がクリスマスの色を帯び始めてきた頃、子供たちはそれぞれ欲しいものを口に出していた。上の子は本、下の子はゲームソフト。


でも、ゲームなんて絶対に嫌。
現にあなたが、いつもスマホのゲームをしていることにうんざりしているから。


どんなきっかけだったか忘れたけど、数年前からあなたはゲームをするようになった。最初は単なる暇つぶしのつもりだったのだろう。


それなのにどんどんのめり込んで、今では家に居る時もスマホを手放すことはない。食事をする時も寝る時も、酷い時にはお風呂にまで持って入るほど。


車の運転中にしようとした時はさすがに怒って止めさせたけど、不機嫌になったあなたは話もしなくなった。車を降りたら早速、歩きながらゲームを始めて。


そんなあなたが、私は嫌で仕方ない。


ゲームを始めてから、あなたはいつもイライラしてる。出掛けることも、家事を手伝ってくれることも億劫になって、文句を言うことが増えた。



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