ある日、いじめが始まった。




「いきなりごめんねっ!あの…私も一緒に走っていい?」





私がそう言うと眉をひそませ苦そうな顔をする二人。






「あ〜…ごめん。うちら二人で走りたいんよね」






それだけ言うと二人は逃げるように私の所から立ち去った。







……なんだろう。

昨日と雰囲気が全然違うような……?






私がその場で立ち尽くしていると今度は1年生女子の3人組が走ってくるのが見えた。


別の人とはいえたった今断られたばかりなのにまた同じことをするのは若干気が引けたが、一応声を掛けてみることにした。







「あのっ、私も一緒に走って……」



「あーごめん無理」






そしてその3人組もさっさと走っていってしまった。








……昨日は皆あんなに優しかったのに。


たくさん声を掛けてくれたのに。






私、何か気に触ることした……____?






昨日のことをいくら思い出しても自分の何がいけなかったのか、全然分からなかった。







昨日は転部してきた私が物珍しかったから声を掛けてくれただけだったのかな……






そんなことを考えながら私は長い長い5往復を走っていった。








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