ある日、いじめが始まった。
悪口、私のハブられた理由
「あーー!もうどこ打ちよんっ!?」
「ご、ごめんっ…!」
私が謝ると高本さんはラケットで卓球台を思い切り叩いた。
「謝るくらいならちゃんと決められた所に打てよ!下手くそ!」
そしてものすごい剣幕で私を睨んでくる。
たしかに私のラリーはめちゃくちゃ。
決められた所に打つどころか空振りばかりで卓球台に入るのもままならない状態だ。
でも私は入部して2日目な訳で、中学に入学してすぐ入った皆とは3ヶ月以上の差がある。
そんくらい考慮してくれてもいいじゃんか……と思った。
「あ〜〜!! もう千秋とじゃラリーどころじゃないわ!まじでイライラする!ストレス溜まるわー!」
高本さんはそう叫ぶと今度は激しく地団駄(じだんだ)を踏みだした。
「まだ入って2日しか経ってないんだし出来んのは当たり前じゃけん。焦らずにゆっくりすればいいよ」
高本さんが私に罵詈雑言(ばりぞうごん)を浴びせてくる横でみっちゃんはそう言ってにっこり笑ってくれた。
それだけが私の救いだった。
「みっちゃんありがとう…。でもごめんね、私が下手なせいでこんなに迷惑かけて。一緒に練習する私がこんなんじゃみっちゃんもAグループ上がれんよね……」
「それは全然いいんよ。私、Aグループ上がりたいとかレギュラー取りたいとか思ってないけん。気にせんでね」