ある日、いじめが始まった。
引退試合が終了すると試合に出ていた先輩達も観客席に戻ってきて、帰りのミーティングが行われた。
結果はなんと優勝。
見事としか言いようがない。
「本当に選手の皆はよく頑張ってくれたと思う。後輩達にいいバトンタッチができただろう。1、2年生はこれから………」
ちらと3年生の方を見ると平井の話に感動したのか涙を流している。
……私は3年生になって引退する時、果たして涙を流せるのだろうか。
引退するのが悲しい、
もっともっと卓球したかった、
そう思いながら引退できるのだろうか。
少なくとも今の状態じゃそんなこと思えないだろう。
涙を流すとすれば、地獄から解放されたという嬉し涙………だろうな。
ふとそんなことを思う。
そうしている間に平井の話は終わり、ミーティングはお開きとなった。