ある日、いじめが始まった。
男子部員はそそくさと荷物を整え帰る準備に取りかかる。
けど1、2年生の女子部員は一向に帰る素振りを見せず、学年ごとに固まってヒソヒソ話をしていた。
皆……3年生の先輩にあいさつくらいすればいいのに。
私はそう思いながら3年生の先輩達の所へ駆けていった。
「あの、先輩っ……短い間でしたがお世話になりました!初日に声掛けてもらえてすごく嬉しかったです!いつでも部活に顔出しにきて下さいねっ」
私がそう言うと先輩達は涙を拭って笑顔を作ってくれた。
「千秋ちゃん、ありがとう…。入ったばっかで大変だとは思うけど頑張ってね!頑張ったらきっと上手くなるけんね!」
「はいっ、頑張ります!」
3年生の先輩達はいい人ばかりだった。
引退するの……ちょっとさみしいな。
私は深くお辞儀をしてその場から立ち去ろうとした。
すると。