ある日、いじめが始まった。




「「先輩、今までありがとうございました!!」」






大きな声と共に1年生女子の団体が3年生の先輩達の所へ勢いよく駆けていく。




その団体のメンバーを見るとどうやら私以外の1年生女子全員らしい。


団体が苦手って言ってたみっちゃんだってきっちりとその中に混ざっている。







一瞬、胸がちくりと痛んだ。







「今まで本当にお世話になりました!これ、私達1年生から先輩達への色紙です!受け取って下さいっ!」





高本さんがそう言うと後ろにいた菜美や侑佳が色紙とプレゼントが入っていると思われる袋を差し出す。






色紙?
プレゼント?





そんなサプライズをするなんて、私は一切聞いていなかった。




高本さんは”私達1年生からっ”て言ったけど、その中に私は入っていない。


それが孤独を象徴してるみたいで……






無性に悲しくなった。







「うわ〜色紙にプレゼント!?めっちゃ嬉しい、ありがとう!」






私の心とは裏腹に先輩達の表情は柔らかい。



そして1年生女子の皆が先輩と一言づつ言葉を交わして別れた時、思い切って聞いてみることにした。







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