ある日、いじめが始まった。
「ねぇ……あの色紙、1年生全員からのプレゼントだったんよね?私、書いてないんだけど……」
そう言うと高本さんを始めとする5、6人の女子部員達は表情を歪ませた。
「はぁ?何言いよん?千秋まさか自分が1年生部員の中にカウントされてないの怒ってる訳??」
「まだ入部して10日くらいしか経ってないくせに仲間になった気になんなや!」
当然とでも言うように罵るような言葉を浴びせてくる高本さん達。
私はぐっと唇を噛み締める。
涙をこらえるのが精一杯で。
返す言葉すら思いつかない。
「よし、先輩達にプレゼント渡したことだし帰ろっか〜!」
「菜美、侑佳!一緒に帰ろーや!」
「あ、ゴメン、私今日ちょっと寄り道するけん!先帰っとっていーよ!」
「あ〜おっけー!じゃあバイバイ!」
少しづつ私の前から人が消えていく。
皆の弾んだ会話がどこか遠くに聞こえた。