ある日、いじめが始まった。




そう言うとみっちゃんは申し訳なさそうに俯き、黙り込んでしまった。








みっちゃんは悪くないよ………





だってみっちゃんは今日一日中、皆からハブられてる私の側にずっといてくれた。



それだけで私の心は十分救われているんだもん。







「そっか……


みっちゃんは何も悪くないんじゃけ謝らんでもいいよ。




それより、今日ずっと一緒におってくれてありがとう。

おかげですごい楽しかったけん!





じゃあそろそろ帰るね……バイバイ」






私は精一杯の笑顔を作る。



果たしてちゃんと笑えてたのかどうか……それは分からないけど。






「うん、バイバイ…」






その言葉を最後に私達は別々の方向へと歩き出す。






今日という1日はいつも以上に色んなことがあって疲れた。



嬉しさ、哀しさ、寂しさ……




多くの感情が一気に流れ込んだ1日。






でもみっちゃん………




私はみっちゃんがいるだけで本当に助かってるんだ。


崖の淵まで追い詰められたような心を保っていられるんだ。





だからどうか、みっちゃんだけは私の傍から消えないでください。

私のことを嫌わないでください……






こうして先輩達の引退試合という長い長い1日は幕を閉じた。





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