ある日、いじめが始まった。
「最初は厳しく思うかもしれんけど慣れたら全然大丈夫よ〜」
皆はそう言ってくれるけど。
当然私の中の不安が消える訳はない。
「てかさ、気になったんじゃけど千秋は何で卓球部入ろうと思ったん?テニスとかバレーとか…他にも色々あるのにさ」
ふいに誰かがそう質問をしてきた。
「えっと、それは……」
私が卓球部に入部しようと思った理由。
それはそこまで厳しいと思ってなかったとかお金がかからないだとかそういうのもあったが、一番の理由はこれだった。
「卓球部が一番メンバー的に入りやすいと思ったけんかな。他の部活は怖い雰囲気がしたりして入りづらかったんよね…
あ、あとそれにお金があんまりかからないとか馴染みやすいスポーツとか本に書いてあったの読んでさ、すごい印象がよかったんよ!」
”メンバー的に入りやすい”
それは私の中でとても重要なことだ。
青東中学の女子ができる運動系の部活は4つでバスケ、バレー、テニス、卓球があった。
だが青東中学のバスケ部はレベルが高く小学校の頃からバスケをしていないととてもじゃないけどついていけない。
バレー部は怖い先輩が多いと有名でメンバーも馴染めそうな雰囲気がしない。
残るテニス部と卓球部でしばらく迷ったが、厳しさやお金の面で卓球部の方が好印象だった。
だから、私は卓球部を選んだのだ。