ある日、いじめが始まった。
「へぇ…そうだったんだ。まぁこれから頑張っていこうねー」
皆はにっこりと笑ってくれた。
「うんっ、ありがとう!」
最初は皆と馴染めるか怖くてどうしようもなく不安だったけど、
皆優しそうでよかった……
これなら上手くやっていけそう、かも…
この時の私は心からそう思っていた。
「まぁそれにしても川原さんが入ってくれて本当に助かったよ」
「え、何で?」
誰かが何気なく言った言葉に思わず私は聞き返した。
……私が入ったら助かる??
その意味がよく分からなかったからだ。
「さっきさ、1年生は休憩時間に空いた卓球台で練習するって言ったじゃん?今までは1年生女子は11人で奇数だったから…どうしても余る人がおったんよ。
ほら、卓球って2人でするスポーツだし」
すると皆は意味ありげにうんうん頷く。
……そっか、卓球は二人でするスポーツだから奇数だったら練習できない人が出てくるのか。
だから私が入ったら偶数で皆が練習できるってことね。
よかった、私必要とされてる……
それだけで私はとても嬉しかった。